テニス 女子の水口、男子の喜久川が3冠 沖尚勢が全種目を制覇 水口は粘り、耐えて逃げ切る


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女子シングルス決勝 バックハンドで打ち返す沖縄尚学の水口由貴=24日、奥武山公園庭球場(大城直也撮影)

 県高校総合体育大会は24日、先行競技が各地で行われた。テニスは女子の水口由貴(沖縄尚学)が、シングルスと新城英万(同)と組んだダブルスをそれぞれ制し、団体と合わせて3冠となった。男子の喜久川楓(同)もシングルスで頂点に立ち、越村昭斗(同)とのダブルスも制し、団体との3冠を果たした。男子シングルスは決勝の敗者と3位決定戦の勝者が準決勝で対戦していなかったため、第2代表決定戦が行われ、大城琉翔(同)が8―2で仲間望(同)を下した。

粘って、耐えて逃げ切る 水口

 昨年の県総体で1年生ながら女子シングルスを制した水口由貴(沖縄尚学2年)が、後輩の1年生・井手葵を8―5で下して、2連覇を達成した。コート上ではクールな表情だった水口だが「プレッシャーはあった。取りあえず、優勝できてほっとした」と頬を緩めた。

 水口はスピン量のあるフォアハンドショットを中心に攻めた。ボレーのうまい井手に対し、深いボールを打ち込み、前に出さないようにし、5―2とゲームを優位に進めた。

 しかし、井手が対応するようになり、ライジングショットを使うテンポの早いテニスに苦しめられる。ライン際を狙うもアウトになることが多く、5―5と追いつかれた。それでも左右に振られながらもディフェンシブなショットで粘り、ラリーでは押されないように耐えた。より回転量を上げた球威のあるショットで勝負にいき、最後は逃げ切った。

 シングルス後はダブルスでも頂点に。団体も含め3冠を果たし「まさかできると思っていなかった」と笑みを見せた。昨年の全国総体では団体で準優勝。各校のエースがそろう第1シングルスを任され、貢献した。「去年は先輩に引っ張ってもらった。今年は自分が引っ張っていく」。届かなかった全国の頂点へ静かに闘志をみなぎらせる。
 (屋嘉部長将)


力押しできず 喜久川は反省

 

男子シングルス決勝 フォアハンドストロークで攻める沖縄尚学の喜久川楓(大城直也撮影)

 新人大会から負けなし、男子シングルスを制した喜久川楓(沖縄尚学2年)だが、「この大会で一番ひどい内容だった」と表情は晴れなかった。

 力で押し切るスタイルの喜久川が決勝で対戦したのは先輩の仲間望。「相性は良いが、手の内を知られている。あえていつもと違うところを狙っていった」。だが、より深いところを突こうしたサーブはミスが続き、粘り強いラリーに持ち込まれてしまう。最終ゲームこそサーブを3本連続で決めたが「持ち味を出せなかった」と反省した。

 大会5日目の疲労以上に、思うようなプレーができなかったことへの焦りと自らへの憤り。九州4強、全国8強を目標に「メンタルを強化したい」と力を込めた。
 (安里周悟)