りゅうせき、連結売上高が初の1千億円超え 石油・ガス販売が増加、ホテル・飲食も大幅改善


この記事を書いた人 琉球新報社
りゅうせき本社

 りゅうせき(浦添市、當銘春夫社長)は26日、2023年3月期の連結決算(対象11社)を発表した。原油高と連動した販売単価の上昇やコロナ禍の制限緩和による需要増に伴い売上高は前期比26.2%増の1106億9600万円で創業以来初めて1千億円を超えた。石油・ガス事業で経費が増えたが、ホテルや飲食関係が大幅に回復し、経常利益は過去最高となる同7.9%増の42億4600万円を確保し、2年連続の増収増益となった。純利益は8.4%増の29億6500万円だった。

 りゅうせき単体は石油・ガス事業で販売単価の上昇に加え、コロナ禍からの需要回復で販売数量を伸ばし売上高は28.4%増の868億7400万円となった。経常利益は8.2%減の33億4900万円、純利益は1.7%減の23億9200万円。家庭向けガス事業などで設備更新が増えたほか、タンクや船舶の減価償却費増などが影響した。

 ガソリンの販売数量は2.6%増加するなど全ての油種で増え合計が9.4%増となった。ホテルや飲食事業は観光需要の回復で売り上げが増加に転じ、業務用食品卸事業も大幅に改善した。原油価格の変動で前期の押し上げ要因となった備蓄在庫評価益の減少が懸念されたが、前期並の水準で推移したことも連結ベースの最高益につながった。

 来期は原油価格の下落を想定し売上高は主要7社の単純合算で9.4%減の1150億円を見込む。社員の処遇改善や設備投資など費用増で、経常利益も7.3%減の38億円となる見通しで、減収減益の予想。當銘社長は「ここ5年は順調に成長してきた」と評価。「経営システムを再構築し、各種実証事業に着手して持続可能な脱炭素社会の創出を目指す」と話した。
 (謝花史哲)