辺戸海岸に宮城・気仙沼からの漂着物 魚市場のコンテナか 「震災、忘れてはいけないのメッセージ」 沖縄・国頭


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宮城県気仙沼市から漂着したとみられるコンテナと写真を撮る山城啓さん(左)と和代さん=25日、国頭村辺戸(山城啓さん提供)

 【国頭】沖縄県内の海岸などで漂着ごみの撮影を20年以上続けている名護市の山城啓さん(78)、和代さん(71)夫婦が13日午前、宮城県の気仙沼漁港から流れ着いたとみられるコンテナ三つを国頭村辺戸の海岸で見つけた。コンテナは水色で、いずれも長さ約2メートル、幅約1メートル50センチ、高さ約80センチ。

 三つのうち、一つには「気仙沼魚市場」と書かれており、燃えてできたような穴があった。残りの二つは文字が薄くなり判読は困難だった。

 気仙沼漁協の臼井靖さん(59)は東日本大震災の津波で流出した、魚を入れるかごの可能性が高いとし、「数年に一度は(漂着の)連絡があるが、陸に上がるのは奇跡だ。震災を忘れてはいけないというメッセージではないか」と語った。

 山城さん夫婦によると、コンテナが漂着した海岸周辺は潮流の関係でペットボトルや漁網などの漂着物が集まりやすい場所という。啓さんは沖縄から約2千キロ離れた場所からの漂着物に「どれだけ震災が大きかったか分かる」と驚いた。

 和代さんは、この数年で漁具とみられる漂着物が増えており「震災の影響があるのでは」と指摘した。

(武井悠)