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沖縄の道路環境、台数増に道路整備追い付かず<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県は、自動車保有台数の増加が顕著で、2012年度末と21年度末を比較すると全国の増加率3%に対して15%増となっています。また、人口1人当たりの保有台数は全国平均の約1・2倍となっています。沖縄県は陸上交通の約90%を自家用車に依存しており、全国平均の約66%と比較して非常に高い割合となっています。観光客が滞在中に利用した交通手段もレンタカーが約62%で最も多くなっています。そのため交通渋滞が多く、那覇市内や浦添市内の幹線道路の混雑時の平均旅行速度は時速15キロと全国平均の半分以下となっています。

 また、交通事故については、全体の件数は近年減少している一方で高齢者の事故は増加しており、2019年と1991年を比較すると約11倍となっています。本土復帰以降の道路整備改良済み延長は2・64倍ですが、自動車保有台数は5・89倍となっており、自動車台数の増加に道路整備が追い付いていない状況です。沖縄県は、これらのような課題に対し、新・沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、(1)観光をはじめとするさまざまな産業の振興を支える(2)災害に強く安全、安心な暮らしを支える(3)人および環境に優しく、快適な暮らしを支える(4)離島地域の生活を支える―の四つの基本方針に基づいて道路整備を行っていく計画です。道路が整備されると、渋滞緩和による移動時間の短縮、観光客の満足度向上、事故防止などさまざまなメリットがあります。

 今後さまざまな施策により、沖縄の道路がさらに発展することを期待します。

(沖縄銀行西崎支店支店長 新垣一大)