キングス1年目、bjリーグのデビュー戦は黒星スタート 大分に70ー72<キングス優勝記念・琉球新報アーカイブから>


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bjリーグ開幕戦でシュートを放つ琉球ゴールデンキングスの澤岻直人=2007年11月3日、沖縄コンベンションセンター

【2007年11月4日掲載】

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングスは11月3日、沖縄コンベンションセンターで大分ヒートデビルズと開幕戦を行い、終盤の追い上げも一歩及ばず70—72で惜しくも敗れた。

 澤岻直人、金城茂之を中心に攻撃が機能し、立ち上がりから積極的に攻めたキングスは、前半を終えて42—30と大きくリードした。しかし、第3クオーターにミスが重なったところを大分に突かれ逆転されると、最終クオーター終盤に猛反撃を見せたものの1ゴール差で及ばなかった。

 2345人のブースターで埋まった観客席は、外国人選手の迫力あるダンクシュートや澤岻、金城、大分の与那嶺翼ら県出身選手の活躍に沸いた。

最終クオーター驚異の追い上げ 前半リードも後半にもろさ

 未来を感じさせる内容だった。惜しくも1ゴール届かず、開幕戦を勝利で飾ることはできなかったが、キングスは昨季3位の大分を相手に互角以上の戦いぶりを見せた。

 前半は優位に戦ったキングス。司令塔の澤岻直人が「スコアに絡んでいく」という前日の言葉通り、カットインや3点シュートで得点を重ねれば、金城茂之も積極的に内外から狙っていった。2人に負けじと、セット攻撃では内側のビッグマンが踏ん張り、得点を挙げた。

 プレシーズンマッチ3連敗の原因となった守備も機能した。内側の選手が積極的にスティールを狙い、速攻につなげた。ケビン・スティーンバージ、ダニー・ジョーンズらがしっかりとボックスアウトし、課題だったリバウンドも拾った。

 しかし第3クオーター、誕生間もないチームの若さが顔を出した。2分20秒までシュートが決まらず、大分に流れを奪われ逆転を許した。澤岻は「もう少し早く流れを切ってリズムを取り戻さなければならなかった」と反省を口にした。フリースローの決定率が45%と低迷したことも響いた。

 それでも9点を追う最終クオーター残り3分24秒から、驚異の追い上げで迫ったキングス。ヘルナンド・プラネルズ・ヘッドコーチは「一番の弱点は経験だが、時間がたてばつく。今日の前半のような試合を続けられれば」と手応えをつかんだ様子だった。

(沖田有吾)

シュートを決める琉球ゴールデンキングスの金城茂之=2007年11月3日、沖縄コンベンションセンター

観客も一体 終盤の接戦に一喜一憂

 キングスがシュートを決めるたびに起こる歓声、相手の大分ヒートデビルズが得点すると響くため息。会場に駆け付けた多くの観客はコートで繰り広げられた熱き戦いに引き込まれていた。

 3日に宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催された沖縄初のプロバスケットボールチーム、琉球ゴールデンキングスの開幕戦では、2300人余りの観客が最後の一秒までキングスの勝利を信じ熱い声援を送った。好調な滑り出しを見せ42—30で前半を折り返したキングス。しかし第3クオーターでデビルズに逆転を許してしまう。客席は不安な表情を見せるものの声援や拍手は大きくなっていった。

 出場している澤岻直人選手、金城茂之選手とかつて高校のバスケ部で共に活躍したという男性は客席で「2人が沖縄代表として活躍し、子どもたちに夢を与える姿を見てうれしい。自慢だ」とコートを見つめた。 3点を追う最終の第4クオーター直前、金色に輝く衣装を着たキングスの応援ダンサー「キングスダンサーズ」の華やかな踊りが始まり「みんなでキングスを盛り上げよう」という放送が場内に響くと観客は一体感を強め、大きな声援で選手をコートに送り出した。

 応援に応えるようにキングスは70ー72の1ゴール差まで迫ったが、デビルズも譲らず、会場は最後まで一喜一憂した。終了の笛が響き、選手も悔しそうな表情を浮かべたが、観客は最後の追い上げに興奮した様子で選手に惜しみない健闘の拍手を送り、選手は観客席に手を振って応えていた。

琉球ゴールデンキングスのゴールが決まり、喜びにわく客席=2007年11月3日、沖縄コンベンションセンター

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