転倒、無理な動作、墜落・・・ 県内労災、前年比2倍、3267人 コロナで大幅増 担当者「安心して働ける環境整備重要」 22年、沖縄労働局


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄労働局(資料写真)

 沖縄労働局(西川昌登局長)は30日、県内の2022年労働災害発生状況を発表した。新型コロナウイルス感染による労働災害が大幅に増え、休業4日以上の死傷者数は前年比約2倍の3267人で、過去最多を大きく更新した。コロナ関連を除いた場合でも、同40人増の1322人で4年連続で増加。統計を始めた1972年以降で最悪となっており、西川局長は「ゆゆしき事態だ。コロナ関連を除いて増加率が高いことは問題だ」と指摘した。

 労働災害による死亡者数は同10人減の2人だった。コロナ関連はゼロだった。

 コロナ関連を除き、業種別では社会福祉施設が同28人増の178人となるなど保健衛生業が241人で増加要因となった。製造業も同20人増の200人と増加傾向となった。

 労働災害の発生は全産業で「転倒」が350人(27%)と最も多く、小売業や社会福祉施設で多発傾向にある。次いで「動作の反動・無理な動作」が225人(17%)、「墜落・転倒」が213人(16%)で続いた。「墜落・転倒」は製造業や建設業で多く見られた。

 年齢別では50歳以上が663人で全体の50・2%を占めた。

 西川局長は「全国的な傾向ではあるが、業種を特定せずに高齢者を対象に横に網をかけて対策していく必要がある」と提起。県内は人手不足感が強まっている中で「安心して働ける環境整備も重要だ」と話した。

(謝花史哲)