「犠牲の多さに驚き」 ハワイの大学OBら沖縄戦、集団自決を学ぶ 渡嘉敷で平和学習ツアー


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渡嘉敷村の戦争の悲惨な歴史などを学んだハワイのカウアイ・コミュニティー・カレッジのOG、OBら=5月16日、渡嘉敷村の集団自決跡地

 【渡嘉敷】ハワイのカウアイ・コミュニティー・カレッジのOG、OBら7人と、通訳の山口賢一沖縄県立看護大准教授が5月16日、渡嘉敷村を日帰りで訪れ、「集団自決」(強制集団死)などの沖縄戦や自然について学んだ。

 カレッジのメンバーは県立看護大学との交流事業のため、15~20日の日程で来沖した。両校は2年に一度、学生らの交流事業を実施しており、コロナ禍のため4年ぶりの来沖。母親(98)が香川県出身の同カレッジ元看護学部長シャー・小野さんが沖縄の戦争の歴史、自然について学ぼうとツアーを企画したという。

 県立看護大の要望で渡嘉敷村を訪れた一行は、地元平和ガイドの案内で慶良間諸島や周辺離島、本島などが一望できる北山(にしやま)展望所(標高約200メートル)を訪れた。ガイドから沖縄戦の説明を受けた後、隣接する集団自決跡地を訪れ、当時の様子や自決体験者の証言文などに耳を傾け、島の戦争の悲惨さを学んだ。引き続きトカシクビーチの日本軍海上特攻艇秘匿壕、阿波連ビーチなどを見学した。

 ツアーを企画した小野さんは「沖縄は全員が初めて。沖縄戦をぜひ学びたかった。一般住民の犠牲者の多さに驚いた」と声を詰まらせた。また、一行は島の美しい海やビーチなどを見て「オーマイガー、ビューティフル」と感動の声を上げていた。 (米田英明通信員)