沖縄初、配車アプリ専用のタクシー運転手を導入 三和交通 時給制や副業としての環境も整え


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
三和交通の泉澤謙営業主任(左)と、DiDiモビリティジャパンマーケティング部の鈴木邦彦マネジャー(中央)、同社営業本部の廣瀬太郎マネジャー=5月30日、南風原町の三和交通本社営業所

 三和交通(南風原町、又吉世哲社長)はタクシー配車アプリ「DiDi」を提供するDiDiモビリティジャパンと協力し、アプリ注文専用ドライバー制度を導入した。新型コロナの影響による外出制限などでタクシーの利用者が大幅に減少した影響で熟練ドライバーの離職が進んでいることから、アプリ導入で若手ドライバーを積極的に採用する。DiDi専用ドライバーの募集は県内初。

 5月14日から募集を開始し、2週間で10件を超える問い合わせがあったという。

 アプリを介した配車注文のみ受け付ける。目的地までのルート検索にアプリのナビゲーションシステムを利用することで、未経験でも乗客を円滑に目的地に運びやすい環境を構築する。また、時給制、フレックス制も同時に導入し、副業として働ける環境も整えた。

 同社の泉澤謙営業主任は「20代、30代の若者や女性ドライバーも安心して自分のペースで働ける環境を確保することが重要だ」とした上で「各業界が働きやすさ改革を実施する中、タクシー業界もこれまでの古いイメージを改めていかなければならない」と述べ、デジタルトランスフォーメーション(DX)による労働改革に意欲を見せた。

 人工知能(AI)を活用して効率的に配車することで、利用者へのサービス向上にもつなげる。DiDiモビリティジャパンの鈴木邦彦マネジャーは「DiDiの利用者は県内で約600人いるが、観光客が多く、鉄道がない沖縄では特に利用が多い。ドライバーにも乗客にも便利なアプリとして、認知度を高めていきたい」と述べた。
 (普天間伊織)