「メンタルヘルス対策は喫緊の課題」として沖縄県教育委員会は5日、県立学校だけでなく公立小中学校の管理職にも対象を拡大して、沖縄市の県立総合教育センターで教職員のメンタルヘルス対策研修会を開いた。250人以上が参加した。例年は県立学校の管理職を対象に開催している。県教委働き方改革推進課の上江洲寿課長は「健やかな学校づくりを徹底するためには、県教委と各学校関係者が着実に取り組みを進める必要がある」と参加者に求めた。
研修会では精神保健福祉士、公認心理師などの資格を持つメンタルサポート&コンサル沖縄代表の佐藤恵美さんが、教職員の精神不調への対応方法について講義した。不調者への気付きや早期面談、医療機関などへの接続、周囲の教職員を含めた継続的なサポートと「不調者を出さない労働環境に変えていく」ことが大事だと説明した。
早期の対応については管理職の多忙さにも触れながら、「不調者に気付いたら必ず1週間以内に声を掛けて面談の場を確保する。そうすることで見過ごすことを予防できる」と強調した。講義ではうつ病の症状や、具体的な声掛けの方法なども説明した。
質疑応答では離島の小中学校から参加した校長が、小さなコミュニティーの中で不調の教職員をどう支えられるかアドバイスを求めた。佐藤さんは「関係が密だと情報が広がりやすく、偏見や誤解を生むことがある。必要のない人に情報共有することで起こる影響などを保護者に理解してもらうことも教育の一環だろう」と答えた。
(嘉数陽)