【東京】航空自衛隊那覇基地でのセクハラ被害に関して、防衛省の青木健至報道官は6日の記者会見で、自衛隊がセクハラ防止教育として女性自衛官の名字を載せた資料を作成して、那覇基地全隊員に配布したことを認めた。
同基地のセクハラを巡っては、被害の訴えに対して適切な対応がとられずに不利益を被ったとして、現役自衛官の女性が国を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしている。原告側は、男性隊員は匿名にもかかわらず女性自衛官のみが実名で、那覇基地の全隊員に配ったことから「二次被害」(弁護団)を訴えていた。
青木報道官は資料の作成意図について、勤務内外を問わず通知人(被害隊員)に仕事以外の私的な話をしないことや、通知人が当面の間、職場の宴会に参加しないことなどを那覇基地全隊員に周知し、通知人の心情に配慮した職場環境を形成することを、弁護士を通じて求められたと説明。「被害隊員を特定するため名字を記載しなければならなかった」と述べた。
原告側関係者によると、資料にはセクハラ被害の内容や経緯が十分に記されていなかった。原告側は提訴時の会見で「原告の側に問題があってトラブルになっているという印象を受ける内容だった」としていた。防衛省側の主張は受け入れられないとして訴訟で争う考え。 (明真南斗)