辺野古抗議への「差別発言、屈しない」 沖縄・本部塩川 発言した防衛局職員の姿なく


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土砂を運ぶダンプカーの前を歩き抗議する市民らと速やかな横断を促す工事関係者ら=7日午後3時38分、本部港塩川地区(塩川港)

 辺野古新基地建設への抗議活動をする市民らに対し、沖縄防衛局の男性職員が「気違い」との差別発言をした件で、市民団体は7日も引き続き、本部港塩川地区で土砂を運ぶダンプカーの前をゆっくり歩く抗議活動を継続した。現場では、工事関係者らが「危ないので飛び出さないでください。速やかに横断してください」などと市民らに呼びかける様子が見られた。市民らによると、差別発言をした職員の姿はなかったという。

 防衛局によると、男性職員は局が直接雇用している非常勤職員で、新基地建設に従事する工事車両の前に座り込むなどの行動を取る市民らに、安全確保に必要な警告をしていた。

 男性の「気違い」という発言について、防衛局は「不適切であった。男性には厳重指導した」と回答した。

 7日、抗議活動に参加した女性(70)によると、防衛局職員による差別発言はなかった。女性は「普段よりも穏やかに対応しているように感じた。差別発言には屈せず、淡々と抗議活動を続けていくつもりだ」と話した。

 6日に差別発言を受けた男性(59)は「明確な差別発言を受けたのは初めて。何度も言うのでひどいと思った」と憤った。

 男性によると、県が今年2月に、大型車両の往来を妨害する行為は禁止行為に当たるとの警告看板を同地区に設置してから、工事関係者らの対応が強気になったように感じるという。警告看板は現在、撤去されている。防衛局は「関係する職員に対し、適切な警備活動を行っていくよう指導を徹底する」とした。
 (金城大樹)