県産シークヮーサーの搾りかす、アロマワックスバーサシェに 沖縄・ファミリー企画


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 沖縄県産素材を生かした化粧品の開発・販売を手掛けるファミリー企画(那覇市、平良奈々社長)がこのほど、搾汁後の本部町産シークヮーサーを廃棄せず再利用した板状のキャンドル(芳香剤)「シークヮーサーアロマワックスバーサシェ」を開発した。平良社長は、シークヮーサーの残渣(ざんさ)の廃棄量が本部町だけで年間500トンあることを挙げ「農家の愛情を受けて育ったシークヮーサーだからこそ、捨てる部分をなくして活用したい」と語った。

シークヮーサーを使用したアロマワックスバーをPRするファミリー企画の平良奈々社長=6日、琉球新報社
19日発売の「シークヮーサーアロマワックスバーサシェ」(ファミリー企画提供)

 これまで廃棄されていた皮や種を乾燥させ、美容の視点で日々の生活に寄り添う癒やしのアイテムに生まれ変わらせた。

 本部町の沖縄美ら島ファームと連携し、有機栽培認証を持つ町内の畑で栽培されたシークヮーサーの搾りかすを今帰仁村の製造工場に短時間で運び、加工する。残渣物は約3時間で酸化が始まるため再利用が難しいとされていたが、腐敗する前に乾燥させて再利用することに成功した。残渣はあえて粗く刻んだものを使用することで、皮の模様や種の質感を残した。低温で時間をかけて乾燥させることにより、形を崩さず、香りや成分の効果も維持できるという。

 ワックス(ろう)も石油ではなく、CO2排出量が少ない大豆由来のものを使用し、環境に配慮している。シークヮーサー製油を練り込み、爽やかな香りに仕上げた。ドアノブやクローゼットにかけておくと、柑橘(かんきつ)の香りが最長6カ月持続する。

 県内リゾートホテルでの導入も決定しており土産品やギフトとしてPRする。19日から販売開始。1個2500円(税込)。那覇市壺川の同社店舗やオンラインショップのほか、那覇空港でも販売する。
 (普天間伊織)