6年に一度の大豊年祭「保栄茂の巻ち棒」が絵本に 商工会青年部の有志らが70冊発行 沖縄・豊見城


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絵本「保栄茂の巻ち棒―六年に一度の大豊年祭―」の表紙

 【豊見城】豊見城市商工会青年部の有志でつくる「地元の歴史・文化広め隊」(新田宗市代表)がこのほど、同市保栄茂(びん)の伝統舞踊「巻ち棒」を紹介する絵本「保栄茂の巻ち棒―六年に一度の大豊年祭―」を完成させた。70冊発行し、市内の保育園、子ども園、小学校、図書館などに寄贈する。

 5月29日、代表の新田さん、兼島正美さん、與那城瑛太さんらが市役所に徳元次人市長を訪ね、絵本の完成を報告した。新田さんは「保栄茂の巻ち棒は6年に一度の大豊年祭で演舞される。今年がその年に当たるため、巻ち棒をテーマに選んだ」と説明した。「地域の伝統行事を子どもたちにしっかりと継承してもらいたい。絵本を読んで、家族と一緒に大豊年祭を見に行ってほしい」と話した。

 絵本は全16ページカラー。男児が大豊年祭を見に行くと、近所の知り合いや中学生のにぃーにぃーが巻ち棒を演じているという内容。子どもでも読めるよう漢字にはルビが振られている。

 制作に当たって、保栄茂自治会から聞き取りし、監修をしてもらった。イラストを担当した兼島さんは「衣装はもちろん、使われる銅鑼(どら)やホラ貝などを伝統にならって描いた。絵本を読み、子どもたちが地域の伝統行事に憧れを持ってくれたらいい」と話した。
 (岩崎みどり)

豊見城市保栄茂の伝統舞踊「巻ち棒」を紹介する絵本を発行し、市に寄贈した「地元の歴史・文化広め隊」の新田宗市代表(右から3人目)ら=5月29日、豊見城市役所