ひめゆり学徒隊などを題材にした絵本「ヤギと少年、洞窟の中へ」(作・池澤夏樹、絵・黒田征太郎)が「慰霊の日」の23日、刊行される。沖縄戦で避難場所や野戦病院として利用されたガマを舞台に、暗い洞窟の中で命を落とした人々の悲しみを、1人の少年の視線を通して伝える。23、24の両日には那覇市でトークイベントがある。
池澤さんと黒田さんは昨年、広島の原爆をテーマにした絵本「旅のネコと神社のクスノキ」も刊行している。今回の絵本を作るに当たり、南城市の糸数アブチラガマを訪れたという。
粗筋はある日、少年がヤギに導かれるように大きなガマを訪れる。ヤギが立ち止まると、そこには柔らかに光る女性が立っていた。「わたしは三年前の戦争の時にこのガマで死んだの」。女性は悲しい物語と一つの願いを語り出す―。
作者2人のトークと宮城さつきさん(朗読)、喜納吏一さん(三線)らのライブパフォーマンスが23日午後3時にひめゆりピースホールで、24日午後7時にハイアットリージェンシー那覇沖縄である。料金は絵本付きで小中学生2千円、高校生以上3千円。未就学児は無料(絵本なし)。24日午後3時にはジュンク堂書店那覇店で作者2人のトークとサイン会がある。参加無料。イベントの詳細とチケット販売はスイッチ・パブリッシングのホームページから。