〈戦後78年の慰霊の日を迎え、沖縄県の玉城デニー知事はメッセージを発表した。知事メッセージは次の通り。〉
本日、「慰霊の日」を迎えるに当たり、全戦没者のみ霊に対し、謹んで哀悼の誠をささげる。
沖縄は、先の大戦において、一般住民を巻き込んだ凄惨な戦闘の場となり、多くのかけがえのない尊い生命だけでなく、貴重な文化遺産や美しい自然、財産を失った。
終戦から78年もの月日が流れたが、今なお、その傷痕は癒えることなく、戦争で犠牲になられた方々のみ霊に対する哀悼の念は、一層深まるばかりだ。
私たちは、沖縄戦をとおして、戦争の愚かさと平和の尊さを学んだ。この教訓を決して風化させることなく、次の世代へ正しく伝えるとともに、「命(ぬち)どぅ宝」という平和を願う「沖縄のこころ」を世界に発信し続けることで、平和な社会を築きあげることが、私たちの使命であり、大きな責務だ。
「慰霊の日」は、この冷厳な歴史を厳粛に受け止め、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久平和を希求するとともに、戦没者の霊を慰める日として定められている。
県民の皆さまには、御家族や御友人と共に戦没者を追悼し、平和を誓う日としていただきたいと思う。
本日は、沖縄県の主催により午前11時50分から糸満市摩文仁の平和祈念公園において「令和5年沖縄全戦没者追悼式」を開催する。
それぞれの家庭や職場においても、正午の時報に合わせて戦没された方々のみ霊に1分間の黙とうをささげるようお願いする。