慰霊の日を迎えるにあたり、沖縄戦の戦没者らの遺骨収集をボランティアで行う「ガマフヤー」の具志堅隆松さんが22日、報道関係者約10人を対象に「ガマを含む未開発緑地帯フィールドワーク」を糸満市山城丘陵で実施した。参加者は岩の間に残された、日本兵や住民のものと見られる遺骨や遺留品を確認した。
ガマフヤーは、戦没者の遺骨が混じる南部土砂を米軍基地建設予定地の埋め立てに用いることに反対し、遺骨が眠る場所を保全するため県有地化を訴えている。土砂投入の計画を進める国に対し、具志堅さんは「23日の追悼式では岸田首相と防衛大臣に計画撤回だけでなく、遺族への謝罪を求める」と憤りを見せた。
具志堅さんらは4月中旬から6月初旬にかけ、糸満市の魂魄の塔と喜屋武岬を結ぶ山城丘陵にある、山城グスク跡付近で目視調査を行った。直径約100メートルの範囲内の6カ所ほどで、ガマや岩場に残された遺骨などを発見した。
山城に広がる琉球石灰岩を含む緑地帯には収容しきれないような微細な遺骨が今も数多く残るとし、具志堅さんは「経済的な利益でもって過去の戦没者を忘却のかなたに吹き飛ばしてはならない」と指摘した。
(西田悠)