「二度と戦没者遺族を出さない」沖縄県遺族連合会・宮城篤正会長あいさつ(要旨)


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沖縄戦全戦没者追悼式で追悼のことばを述べる沖縄県遺族連合会の宮城篤正会長=23日午後0時4分、糸満市摩文仁の平和祈念公園(代表撮影)

 今年もまた、忘れることのできない「慰霊の日」が巡ってきた。あの凄惨(せいさん)な沖縄戦から78年、地獄のような戦争体験が昨日のように脳裏に浮かび、胸が張り裂ける思いがする。

 戦没者諸霊は、沖縄戦および外地において、祖国の安泰を願い、家族を案じつつ尊い生命を祖国のためにささげられた。顧みれば、私達戦没者遺族が歩んだ道程は、長く苦しい歳月であったが、互いに励ましあい、懸命に生き抜いてきた。

 終戦から78年、いまだにご遺骨、米軍の不発弾も発見され、戦後は終わっていないと実感する。

 我が国は、焦土の中から国民が一体となって立ち上がり、幾多の困難を乗り越え、今日の平和と繁栄を築き上げた。この平和と繁栄は、皆さまの尊い礎の上に築かれたものであることを私たち日本国民は、決して忘れてはならない。

 戦没者遺児も平均年齢が82歳という時代。組織維持も困難な状況だが、私たちは、今後二度と「戦没者遺族を出さない」という強い信念をもって活動を続けていく。