那覇市の比嘉政子さん(83)は23日、夫仁徳さん(85)と糸満市摩文仁の平和の礎を訪れ、沖縄戦で亡くしたきょうだい4人の名前を指でそっとなぞった。
傘を突きながら「那覇市銘苅」の戦没者の名前が刻まれた刻銘板を見つけ、菓子やジュースを供えた2人。政子さんのきょうだいの安和朝保さん、朝興さん、トシ子さん、朝榮さんの名前を前に静かに手を合わせた。
沖縄戦当時5歳だった政子さん。兄や姉が「どこで亡くなったかも分からない。戦争がなければ皆元気だったはずなのに」と語る。毎年平和の礎を訪れており、「ここに来て祈ると心が休まる。戦争はあってはならない。平和な世の中にしてほしい」と話した。
(座波幸代)