県内初進出となる会員制の米系大手量販店「コストコ」の来年8月開業が正式に決定した。建設予定地の南城市玉城垣花は、同市が都市計画の指針となる「先導的都市拠点」と位置づけ整備が進む。「コストコホールセールジャパン沖縄南城倉庫店」は、南城市だけなく周辺地域の発展のけん引役として注目される。古謝景春市長は「人口増加やにぎわいの創出などをもたらす大きな可能性を秘めている」と期待を寄せた。
南城市つきしろインターチェンジ(IC)南土地区画整理事業の目玉の一つで、南城市の新たな都市計画の中核を担う。南城市つきしろIC周辺地区の南側約18.6ヘクタールでは「観光・交流」や「戸建て」など四つの区画で今後整備が進められるが、コストコはその中心の「商業」区画に建設される。
コストコが沖縄出店に向けて立地調査を始めたのは2015年。当初は豊見城市から北谷町にかけての本島中南部地域の西側で進出用地を探していた。だが、県の南部東道路の整備に伴い、商業施設誘致に向けた取り組みを進めていた南城市に興味を示し、18年に候補地の一つとして検討していることを市側に伝えていた。
コストコは店舗の規模や施設の概要などについて、地権者らによって構成される南城市つきしろIC南土地区画整理組合と協議続け、今年4月17日に土地売買の契約を交わした。
敷地内にはガソリンスタンドを併設し、店舗内に薬局やフードコートなども開設する。雇用人数300~400人のうち8、9割は地元から採用し、54%は正社員。従業員の時給は1600円からなどと採用方針を示した。
コストコは世界14カ国で850店舗以上を展開。国内では現時点で東京都や栃木県、熊本県など全国各地で32店舗を運営している。
(上江洲仁美)