ホテルのコンサルティングやシステム開発などを行うタップ(東京、林悦男会長兼社長)は30日、実証実験ホテル「タップホスピタリティラボ沖縄(THL)」をうるま市のIT津梁パーク内に開設した。デジタルトランスフォーメーション(DX)で観光・宿泊産業の生産性向上を実現する、国内初の施設となる。
敷地面積は8375平方メートル。地上7階建てで、全38室。施設内には客室のほかにカフェ、セミナールームやホール施設、イオン琉球(南風原町)が展開する24時間営業の無人キャッシュレス店舗などを備える。
パナソニックや三菱電機、オムロン、LGなど国内外の約10社の企業が、清掃や配膳、搬送、アテンド、警備巡回などを担う16種類のロボットを実証実験のために無償で提供した。ホテルシステムと連携したアプリ操作により、無人チェックイン・アウト、客室内の家電操作、ルームサービスのオーダー、各施設の混雑状況の可視化などをデバイス一つで行える。
うるま市で大規模な災害が発生した場合には、THLを一時避難所として被災者に開放する。災害時に食料や衣料品などの物資を輸送するため、4階にはドローンポートを設置した。
同日の開設式典で、林会長兼社長は「テクノロジーとホテルの融合で、沖縄のDXホテルを輸出し、世界のリーディング産業になりたい」と抱負を語った。
宿泊できるのは当面は視察目的の行政や観光業界の関係者のみとなるが、今後、一般客の宿泊受け付けも検討している。
(與那覇智早)