85歳双子のきょうだい、母校に「恩返し」 宜野湾・大山小に本524冊寄贈 安仁屋眞昭さん、桃原和子さん


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元学校事務の大嶺典子さんが制作した「ふたごぶんこ」のロゴ

 【宜野湾】宜野湾市立大山小学校の卒業生で市内に住む安仁屋眞昭さんと、双子の妹の桃原和子さんが6月9日、同小学校に524冊の新品図書を寄贈した。寄贈式も開かれ、児童らは感謝の気持ちを伝えた。今回の寄贈は11月に数えで85歳になる記念で、図書は2人にちなみ「ふたごぶんこ」と名付けられた。「かいけつゾロリ」シリーズや図鑑、小説などさまざまなジャンルの本をそろえ、児童が本に触れることに期待している。

 安仁屋さんと桃原さんが大山小学校に在籍していた頃、当初は校舎がトタン屋根で本もほとんどなかった。安仁屋さんは「何もない時代だったけど、学校でたくさんの楽しい思い出が得られたので、何か恩返しがしたかった」と振り返る。活字離れが進んでいると言われる中、本を寄贈することで、児童に興味や関心を持ってもらうことも目的の一つ。

 寄贈式では図書委員が絵本「おにぎりに はいりたいやつ よっといで」を全校児童に読み聞かせた。おにぎりたちが自らの具を探す旅をテーマにした物語で、具になりたいシャケやタラコなどの不思議な会話を楽しんだ。

 図書室には6年生の金城圭佑さんが揮毫(きごう)した「ふたごぶんこ」の看板が飾られた。本には一冊一冊、元学校事務の大嶺典子さんが書いた安仁屋さんと桃原さんのロゴを貼った。

 桃原さんは本を選ぶときのこつとして「まずはタイトルを見て、気になる本を開いてみてください」と児童に伝えた。図書委員で6年生の山内梨桜さんは「読みたかった本や新しい本が届いて、全校生徒が喜んでいる。卒業までにたくさんの本を読みたい」と感謝した。(名嘉一心)

524冊の図書を寄贈した安仁屋眞昭さん(前列中央)と桃原和子さん(左から4人目)=6月9日、宜野湾市立大山小学校