沖縄県、酸素濃縮器の確保を始める 中等症患者の病院外療養を想定 コロナ感染拡大へ備え、厚労省と体制づくり急ぐ


この記事を書いた人 琉球新報社
酸素濃縮器(資料写真)

 池田竹州副知事は5日、新型インフルエンザ等対策会議の後に県庁で記者会見を開き、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備え、厚労省と連携して酸素濃縮器の確保を始めたと説明した。重点医療機関だけでは呼吸不全の中等症患者を受け止められない事態を想定しており、酸素濃縮器を手配して社会福祉施設や自宅でも療養できる体制づくりを急ぐ。

 県によると、5日現在の入院患者は計1067人(重症患者7人)。内訳はコロナ患者に対応する重点医療機関など36カ所で762人、その他の病院で305人。県全体の入院患者は、流行第7波の昨年8月に記録した1166人に迫っている。

 流行第7波では医療機関が逼迫し、中等症患者でもやむを得ず施設や自宅で療養していた。そのため、県は酸素濃縮器を約390個手配し、医師や医療機器メーカーの協力で迅速に届けていた。

 県は今夏の流行も第7波と同様の事態になると想定。5類移行によってコロナ関連予算は縮小し、行政の支援が限られるが、4日から派遣された厚労省職員と連携して施設や一部の病院に酸素濃縮器を届けるという。

 池田副知事は5日、宮古圏域の医療フェーズを4(確保病床27床)から5(同37床)に引き上げたと発表した。また、すでに小児医療や救急搬送体制は逼迫しているとして、県民に対して感染対策や積極的なワクチン接種を呼びかけた。

 関係者によると、6日に発表される新型コロナ患者の定点報告数は前週より増加し、1医療機関あたり40人以上になるという。
 (嘉陽拓也)