マイナカード返納 県内107件 6月に80件、トラブル続き不信感 写真取り違えるミスも2件


この記事を書いた人 琉球新報社

 マイナンバーカードを巡るトラブルが全国で相次ぐ中、本紙が県内41市町村に確認したところ、4月から6月にかけて沖縄市やうるま市など21市町村で合計107件の自主返納があったことが分かった。一方、カードを巡り、久米島で顔写真を取り違えるミスが2件発生していたことも判明した。返納の主な理由は個人情報漏えいへの懸念や政府への不信感などが上がった。いずれの市町村も6月に返納が急増している。

 琉球新報は各市町村に対し、国外転居やカード破損などの理由ではなく、本人の希望に基づく自主返納数について、3日から5日かけて聞き取った。

 月別でみると、4月は8件、5月は19件だったが、6月に80件と大幅に増加した。7月に入っても豊見城市で2件出るなど、7月以降も自主返納の動きは各市町村で続くとみられる。

 市町村別では、沖縄市とうるま市が16件と最多だった。那覇市の14件、浦添市の8件と続いた。町村では中城村が4件と最も多かった。各市町村の担当者によると、自主返納について市民からは「マイナンバー制度が信用できない」(糸満市)や「情報漏えいへの不安」(宜野湾市)など個人情報の取り扱いを理由にする声が寄せられた。「(カードを)使用しないから」(浦添市)との理由や「必要性を感じない」などの意見も少なくなかった。

 沖縄県のマイナンバーカード交付率は4月末時点で全国ワーストの57.1%となっており、全国で唯一、60%を下回っている。全国平均は69.8%で、最も高いのは宮城県の81.8%だった。
 (吉田健一まとめ)