世界遺産の「棚田」守る沖縄の夕べ フィリピン 「涙そうそう」に合わせフラダンス


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沖縄県産業振興公社協賛のチャリティーコンサート「沖縄の夕べ」

 フィリピン国マカティ市のアイアンマン・ステーキハウス(屋良朝彦代表)でこのほど、チャリティーコンサート・沖縄の夕べ(同店主催、沖縄県産業振興公社協賛)が開催された。この夕食会は、マニラ・エクスプレスという在比邦人によるバンドをゲストに招いて開かれ、売り上げの一部をイフガオ州ハパオにある世界遺産のライステラス(棚田)を守る山岳民族の子どもたちの通う三つの小学校に寄付する。

 夕食会ではウチナーグチで「ハイサイおじさん」や沖縄三線で「十九の春」などが披露されたほか、在住邦人女性らが「涙そうそう」に合わせてフラダンスを踊った。

 主催したステーキハウスは沖縄出身の屋良朝彦氏の経営する店で、これまでも沖縄県の助成で「沖縄フードフェスティバル」などのイベントが行われてきた。屋良氏によるとイフガオ州ハパオに流れるハパオ川には日本政府の無償援助で1・2キロの堤防が築かれていたが、2020年12月の豪雨で一部が決壊し、棚田が壊れ民家にも被害が及ぶ危険があった。日本人ボランティアの要請に応えて、屋良氏が個人的に修復工事費を支援したのが縁でハパオとのつながりができ今回のイベント開催に至ったという。

 屋良さんは「沖縄出身者は、外国に暮らして一方的に世話になるだけでなく、少しでもその恩をお返ししたいという気持ちを強く持っているのだということを内外に示したかった」と語った。

(知念夏希通信員)