仮設道路の近くに戦争遺跡 糸満市の鉱山開発 遺骨収集ボランティアら、県に変更の検討指示を要請


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糸満市米須の鉱山=2021年7月(小型無人機で撮影)

 沖縄県糸満市米須の鉱山開発に関連して開発事業者が県に農地転用を申請している件で、沖縄戦の遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんや支援者の会の北上田毅さんらが10日、県庁に担当課を訪ね、手続きの進ちょくや疑問点などを確認した。県は農地転用の手続きが整いつつあるとの見方を示した一方、関連する他法令に基づく手続きの確認がとれるまでは申請を許可しないとの認識を示した。

 県側は、農林水産部企画統括監や農政経済課長が対応した。開発事業者は、鉱山から採掘した琉球石灰岩を搬出入するための仮設道路整備を計画しており、県が農地の一時転用申請を審査している。仮設道路の整備予定場所が、戦争遺跡の自然壕「シーガーアブ」の開口部に近いことから、具志堅さんらは別ルートの検討を指示するよう県に要請した。

 また、鉱業法に基づく採掘期間の変更や、文化財保護法に基づく測量調査などについて確認した。

(慶田城七瀬)