沖縄本島中部の景気、全業種で続く改善 4割が賃上げに動く コザ信金4~6月


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 【沖縄】コザ信用金庫は12日、中部地区の4~6月期の景気動向を発表した。全業種の業況判断指数(DI)が同年1~3月期の1.1ポイントから上昇して10.8ポイントとなり、改善を続けている。小売業とサービス業を中心に景気が上向いており、小売業の業況判断指数は6.4ポイントで4年ぶりにプラスに転じた。

 コザ信用金庫が取引する中小企業の約7割が、コロナ禍前(約3年前)の売り上げに回復し、約4割が賃上げに動いている。賃上げの主な要因は、原材料価格の高騰に伴う販売価格の引き上げで、利益が増えたことだった。

 材料価格判断指数は「上昇」か「やや上昇」が73.5ポイントとなり、2期連続で過去最高の数値となった。資金繰り判断指数は「楽」よりも「苦しい」が上回り、マイナス7.0ポイントだったものの、前期(1~3月)のマイナス14.6ポイントから改善した。人手過不足判断指数は「過剰」「やや過剰」よりも「不足」「やや不足」がマイナス37.3ポイントとなり、人手不足が浮き彫りとなった。

 業種別では、サービス業が5期連続、小売業は3期連続で増収増益が続いた。一方、建設業は資材価格の高騰に対し、請負価格が上昇しておらず、業況判断は「良い」より「悪い」が上回る状況が続いた。

 原材料価格の上昇相当分は、6割強の企業が販売価格を引き上げることで転嫁していた。一方、電力エネルギー価格の上昇相当分を販売価格へ転嫁する動きは、5割弱にとどまった。(古川峻)