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企業版ふるさと納税の活用 地方創生の充実・強化に期待 <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 企業版ふるさと納税の寄付実績が近年大幅に増えています。企業版ふるさと納税(正式名・地方創生応援税制)とは、地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対し、企業が寄付を行った場合、法人関係税を控除する制度です。

 同制度は2016年に始まりましたが、税控除を約6割から最大で9割に引き上げた20年に寄付額・件数ともに約2倍と大きく増加しました。沖縄県では、20年度(県と3市町へ13社から1365万円の寄付額)から21年度には県と15市町村へ101社から約1億4780万円と寄付額・件数ともに過去最高となりました。22年度はさらなる増加が見込まれ関心の高まりがうかがえます。

 制度活用には、まず各地方公共団体が地方創生につながる計画を作成し、内閣府から認定を受けます。認定された計画は内閣府や地方公共団体のホームページなどから閲覧し、企業は応援したい計画や地方公共団体を選び寄付をすることができます。

 沖縄県は「沖縄21世紀ビジョンゆがふしまづくり計画」の中で少子高齢化の課題対応のための計画を策定しています。また分野別に「子どもの貧困対策~子どもたちの未来のために~」「首里城に象徴される琉球の歴史・文化の継承~首里城の復興~」の二つの事業に対する寄付を募っています。地方公共団体が実施するSDGs関連事業において企業版ふるさと納税の仕組みを活用し、地方公共団体と専門的知識やノウハウを有する企業をマッチングさせる取り組みも始まっており、官民連携による地方創生のさらなる充実・強化が期待されます。

(沖縄銀行本店営業部渉外課課長 當山圭子)