抗議の市民、骨折の可能性 シュワブゲート前、機動隊に押され


この記事を書いた人 田盛 良一

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設をめぐり19日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前には建設に反対する市民ら約100人が集まった。早朝には80人が資材搬入などを阻止しようと座り込んだ。作業車両を止めようとした西原聖一さん(52)=沖縄市=が機動隊員に押し戻され負傷、肋骨(ろっこつ)骨折の可能性と診断された。

 基地建設が予定されている大浦湾では、ボーリング(掘削)調査地点に設置されたスパット台船3基とクレーン船1隻の計4地点で作業が確認された。隣接のシュワブ陸上部分でも重機による作業が確認された。
 西原さんによると、作業車両を止めようとして機動隊員の股下にもぐり込んだ際、隊員3、4人に押し戻された。その後、体に痛みがあり、自分の車で名護市内の病院に行き診察を受けた。肋骨骨折の可能性があり、骨折の場合、全治には1カ月かかると診断されたという。
 ゲート前には、共産党の赤嶺政賢衆院議員と社民党の吉田忠智党首、愛知県や福岡県など県外からの参加者も駆け付けた。修学旅行で愛知県から訪れた豊川高校2年の女子高生4人は「沖縄の海が好き。この海が埋め立てられるのは嫌だ。ここで見たことを伝えたい」と涙ながらに話した。
 海上では市民らが抗議船3隻とカヌー隊11艇を出し、抗議した。カヌー11艇と抗議船1隻は午前と午後に1回ずつ、臨時制限区域を示すとされる浮具(フロート)内に進入し、スパット台船付近で海上保安官に拘束された。
 抗議船に乗り込んだ海保職員はフロート外の海上で降船したが、カヌー隊の市民は海保ボートで辺野古漁港に移送後、解放された。