ウクライナ避難民のための託児所を開設 ポーランドで那覇市出身の東さん 寄付集め保育士採用、自立へ支援


この記事を書いた人 琉球新報社
ウクライナ人の子ども向けの託児所を開設した東優悟さん(後列右端)とポーランドに避難してきた子どもたちら=17日、ポーランド・カトヴィツェ(提供)

 ロシアによるウクライナ侵攻で、ポーランドに避難してきたウクライナ人を支援する那覇市出身でポーランド在住の東優悟さん(26)が17日、ポーランド南部の都市カトヴィツェにウクライナ人の子どもたちを受け入れる託児所を開設した。県内外から集まった寄付で開設・運営している。東さんは、託児所があれば保護者が働きやすくなるとして「避難民がポーランドで自立できるようにしたい」と強調する。

 カトヴィツェ大学修士課程2年の東さんは1年半前からフェイスブック(FB)で寄付を呼びかけ支援を続けてきた。集まった寄付金は約2千万円。これまで避難所やウクライナに物資や食料を送るなどしてきた。

 ポーランドに避難するウクライナ人が経済的に追い込まれる状況を目の当たりにしてきた東さん。生活基盤を築けずにウクライナに帰国する人もいるという。

 ポーランドの避難者について「生活の状況は侵攻直後より悪化している」と指摘する。侵攻後には戦争の終結についてさまざまな予測が流れていたが、戦況が日々変わる中でその「希望」が見通せなくなった。

 託児所では現在、8人の子どもを預かり、スタッフ1人を雇っている。1カ月後をめどに子どもを16人、スタッフを4人程度までに増やす予定だ。

 開設までに多くの困難があった。東さんとともに自宅にウクライナ人家族を受け入れ、託児所開設に向けて奔走してきたマルタ・キエジェックさんが1月に亡くなった。東さんは「すごく気持ちが落ち込み、プロジェクトをあきらめかけたときもあった」と振り返る。SNSに寄せられた多くの応援メッセージにより、再び前に進むことができたと話す。

 支援の重要性については「各国の支援を受けた子どもたちが、戦争がもたらす憎しみだけじゃない、平和的なつながりを感じることで、将来的に平和な世界をつくるようになると信じている」と強調した。

 施設運営への募金は二つの口座で受け付けている。沖縄銀行は小禄支店(店番号136)、普通預金で口座番号1751839。口座名は「シャ)コドモエガオシエンカイ」。琉球銀行は小禄支店(店番号309)、普通預金で口座番号644804。口座名は「コドモエガオシエンカイ」
 (友寄開)