台湾からの旅行客には、レンタカー利用者が多いが、公共交通機関で旅する人も少なくない。電車と違い、路線や乗り方が複雑な路線バスは、地元の人間でも乗りこなすのが難しい。外国人なら、なおさらだ。だが、「わたしのグループはデータベース」と豪語する彭さんの交流サイト(SNS)には、詳細な情報が多数挙げられている。
それによると、20番以下は那覇市内を走る均一料金のバスで、前から乗って料金を払い、後ろから降りる。それ以外は前から乗るのは同じだが、降りるのも前から。乗る際には台湾にはない「整理券」を取ることを忘れないことがポイントだと強調されている。
運転がいささか荒く、もたもたしていると降りそこねてしまうのが台湾のバス。それに慣れている台湾観光客にとって、沖縄のバスは良い意味でカルチャーショックだ。停車しドアが開いてから席を立つようにうながし、実際降りるのを待ってくれる運転手の“我慢強さ”。車いすなら補助板を運転手自らが設置し、車内まで押してくれる“心づかい”。その一つ一つが、小さな感動とともに報告されている。
バスの中で両替ができることも驚きのひとつだ。現在台湾では「悠遊カード」などの交通系ICカードが普及しており、小銭に困ることはない。だが以前は、小銭がなければお釣りをあきらめるしかなかった。
日本では唯一、沖縄だけで使える台湾のICカード「悠遊カード」。残念ながら今のところ公共交通機関には対応していないが、使えるようになれば、利用者が増えること必至だろう。
(素材出典・沖縄彭大家族・彭國豪、文・渡邉ゆきこ)