世界初の技術で「プロテインラムネ」誕生 粉末を固形化 沖縄・OIST発企業


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Shima & Co.が商品化した「プロテインラムネ」

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)に拠点を置くスタートアップ企業「Shima & Co.」(恩納村、山本静香ジェニファー社長)が、粉末サプリメントを固形化する新技術を用いて飲みやすくした「プロテインラムネ」を商品化し、6月から販売を始めた。カロリーや脂質を抑え「お菓子感覚で健康的にプロテインと栄養成分が摂取できる」(山本社長)のが特長。将来性を見込み、沖縄振興開発金融公庫と沖縄銀行が計6千万円の協調融資を実行した。

 同社取締役のザック・ベル博士らがOISTで開発した世界初の技術「シードテクノロジー」を用いて粉末を固形状にした。溶けにくく、持ち運びすると粉末がこぼれる、といった従来のサプリメントの課題を克服した。固形状だが水溶性は高く、スムージーにして摂取することもできる。新技術は日本と米国で特許を出願中だ。

商品を開発したShima & Co.の山本静香ジェニファー社長(中央)と共同創業者のアンドリューズ・スコット氏(左から2人目)、ザック・ベル博士(同4人目)と、協調融資をした沖縄振興開発金融公庫の安里秀樹課長(左端)、沖縄銀行の川平朝之恩納支店長(右端)=27日、那覇市内

 同社にはリウボウも出資し、ブランディングを支援している。製造は春日井製菓(名古屋市)に委託し、現在はShima社のECサイトでフレーバー2種類を販売。1袋(25グラム)で11.5グラムのプロテインを摂取できる。

 今後は県内のコンビニや道の駅など実店舗に販路を広げ、健康食品として観光客のほか、タンパク質が不足しがちな高齢層にも訴求する。

 同社によると国内のプロテイン・健康サプリメントの市場規模は2600億円。その3~5%シェアを目指す。

 沖縄公庫は資本性ローンとして4千万円、沖銀は創業者支援資金として2千万円を協調融資で実行した。山本社長は販路拡充やマーケティングに力を入れる考えを示し「沖縄産のシークヮーサーや塩なども使い、商品展開していきたい」と説明した。
 (當山幸都)