海兵隊の円滑移転要望 知事、ハワイで基地視察


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ハワイの米海兵28隊基地を視察し、地域コミュニティーとのコミュニケーションなどについて司令官のジェレミー・ビーベン大佐(右)から説明を受ける玉城デニー知事(右から3人目) =現地時間28日、米ハワイ州(県提供)

 ハワイを訪問中の玉城デニー知事は28日(日本時間29日)、カネオヘ湾にあるハワイ海兵隊基地を視察した。基地司令官のジェレミー・ビーベン大佐と在沖米海兵隊の移転受け入れについてやりとりし、沖縄からの移転がスムーズに進むよう要望した。

 大佐は承知したと答えたという。一方、「2プラス2で合意され、現在も検討が続いている内容で実施される予定」として、具体的な受け入れ人数などについて言及はなかった。

 2012年の共同文書では、在沖米海兵隊1万9千人のうち、9千人をグアム、ハワイ、オーストラリアに分散して移転するとされているが、どこの基地に何人が配置されるかなどは明らかにされていない。

 玉城知事は視察後、ビーベン大佐に周辺の地域コミュニティーとのコミュニケーションについて質問した。大佐は、定期的に地域のリーダーや団体と会合を持ち、演習予定や航空機の飛行経路、隊員の事件事故などについて意見交換していると説明。要望を受けた場合、安全面からどうしても難しいことを除いて飛行時間の変更などにできるだけ応えるようにしていると話したという。

 玉城知事は、日本ハワイ姉妹サミット最終日のグループ会合にも出席。ハワイのレスポンシブルツーリズム(旅行先に配慮する観光)の取り組みを参考に、思いやりを持った観光をつくり上げるための観光人材育成の必要性について発言した。

 玉城知事は現地時間の29日にハワイ沖縄連合会の訪問などを予定していたが、台風が沖縄に接近しているため日程をキャンセルして帰任する。

 (沖田有吾)