「戦争なる前に戦う姿勢を示し抑止」 元陸幕長や現役防衛省幹部が講演 沖縄防衛局セミナー


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台湾有事のリスクなどを話す元陸上幕僚長の岩田清文氏=28日、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄防衛局は28日、那覇市の県立博物館・美術館で第29回防衛セミナーを開催した。講演した防衛省大臣官房企画官の宇野茂行氏は、ロシアのウクライナ侵攻について「ウクライナは十分な防衛力を持たず、抑止できなかったため甚大な被害が発生した」と指摘。力による一方的な現状変更が困難であると認識させるために、相手の能力に着目した防衛力を構築する必要があると話した。 元陸上幕僚長の岩田清文氏も講演し、中台紛争が発生する可能性について「習近平は毛沢東を超えたいという野望を持っている。しっかり準備しないといけない。ゼレンスキーは英雄とは思わない。本当のトップリーダーは、戦争になる前に戦う姿勢を示して抑止しないとならない」と持論を述べた。

 中国が台湾に軍事侵攻した場合、短期決戦を狙うことから即応性が重要になると指摘。「国民保護の観点からも、空港、港湾をしっかり整備して輸送力を確保することが重要だ」と話した。

 (沖田有吾)