【動画】高波、国道えぐる 長時間の暴風、暮らし直撃 2人死亡、51人けが 台風6号(8月2日まとめ)


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高波によって削られ、陥没したとみられる国道331号=2日午後6時10分過ぎ、名護市汀間(池田哲平撮影)

 台風6号は沖縄本島や周辺離島を丸1日以上、暴風域に巻き込み、強風によるけがや、建物・樹木の倒壊など各地で大きな被害を及ぼした。一時は県内全世帯の3割超が停電し、県民の暮らしを直撃。呼吸管理やたんの吸引などを必要とする医療的ケア児がいる家庭や、高齢者施設では不安を募らせ、早期の電源復旧を願った。速度の遅い台風は5日以降の再接近も予想され、県民生活への影響がさらに長期化する懸念もある。

 大型で非常に強い台風6号の接近で、沖縄本島地方を中心に強風によるけが人や倒木、大雨による冠水などの被害が相次いだ。本紙が県内各消防に確認したところ、2日午後8時現在、車庫の倒壊や火災で男女2人が死亡、51人が風にあおられ転倒するなどしてけがをした。2日は大潮も重なり、海岸に近い道路や住宅街では高潮による冠水被害も確認された。強風や大雨は3日以降も続く見込みで、被害はさらに拡大する恐れもある。

 2日午後8時時点で県内39市町村が避難所を開設し、少なくとも計970人が避難している。市町村別の避難者数は多い順に那覇市が194人、与那原町が135人、沖縄市が108人などとなっている。

 大宜味村では1日午後10時過ぎ、自宅車庫で台風対策をしていた男性(90)が車庫の下敷きになる事故があった。男性は心肺停止の状態で本島北部の病院に搬送されたが、2日午前0時3分、死亡が確認された。県警は強風で車庫が倒壊した可能性があるとみて、詳しい倒壊原因を調べる方針。

 うるま市で2日午前7時ごろ、台風対策をしていた30代男性が落下してきたコンクリートブロックで左足の人さし指を負傷。消防によると切断に近い状態という。宜野湾市大山では2日午前10時過ぎ、倒木の処理作業をしていた20代男性が風にあおられ転倒し、左腕を骨折する重傷を負った。

 名護市汀間の久志小学校前にある海岸沿いの国道331号では道路が陥没した。高波の影響で崩落したとみられる。北中城村では車が横転。目撃者の30代女性は「数年前の台風でも同じ場所で複数台の車が横転しているのを見た。今回は歩道まで車が飛ばされていたので、改めて台風の威力を目の当たりにした」と驚きをあらわにした。
 (吉田健一まとめ)

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