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中城城跡を核にまちづくり 沖縄の世界遺産同士で連携も 中城・北中城の両村、中部移行目指し計画案


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 【中城・北中城】那覇市や宜野湾市など5市4町2村で構成する那覇広域都市計画区域から、中部広域都市計画区域への移行を目指す中城と北中城の両村はこのほど、移行を想定した共同まちづくり計画の素案を策定した。

中城村と北中城村の共同まちづくり計画のイメージ図(中城村・北中城村共同まちづくり計画(素案)より)

 那覇広域都市計画区域には二つの区域が設けられている。このうち市街化調整区域は建物を建てることなどを抑制する。両村の面積の8~9割は同区域に指定されているため、自由な開発が制限され、定住促進や産業振興による地域活性化を図ることが難しい。

 人口増加傾向の両村だが、人口減の集落もあり、集落保全のための生活利便施設を求める声もある。また北谷町などの西海岸に面した自治体と比較して、東海岸に面する両村は経済活性化に向けた取り組みが課題となっており、柔軟な土地利用が必須な状況だ。

 共同計画の素案では両村にまたがる中城城跡を中心に歴史、文化、自然資源を保全・活用し、県内の世界遺産と連携したまちづくりを行うとした。また、良好な住環境の形成や遊休農地の解消、公共交通機関の拡充などを掲げた。県の東海岸サンライズベルト構想と連携し、新たな産業の創出を検討する。

 中部広域都市計画区域への移行について浜田京介中城村長は「行き着く先は両村のみでなく県全体の利益につながると考えている。実現に向けて取り組みたい」と語り、比嘉孝則北中城村長は「東海岸地域の振興というのが命題と思っている。移行を通して過疎傾向にある同地域を盛り上げたい」と述べた。両村はウェブサイトで17日まで、計画に対するパブリックコメントを実施。9月の計画策定委員会を経て、10月に決定する予定。計画を県に提出後、移行に向けた協議を始める見通しだ。

 両村は2019年、県に中部広域都市計画区域への移行を要請した。要請を受け、那覇広域都市計画区域における区域区分検討協議会は両村が策定する共同まちづくり計画を踏まえて検討する方針を示していた。
 (名嘉一心)