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新車販売台数の動向 昨年夏から回復傾向 <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県では、陸上交通のほとんどを道路に頼っており、自動車が大きな役割を担っています。これは県民だけでなく、沖縄を訪れる観光客も同様で、多くの観光客がレンタカーを利用して旅行をしています。このように自家用車、レンタカーともに自動車のニーズが高い沖縄で新車販売はどのように推移してきたでしょうか。

 図は沖縄県における過去3年間の新車販売台数の推移です。この期間以外も含めた一般的な特徴として、レンタカーは観光シーズンを迎える夏前ごろに、自家用車は新生活に向けてニーズが高まる春ごろに販売台数が増加します。しかし、過去3年間では他にもさまざまな出来事がありました。

 大きな出来事の一つとして新型コロナウイルスの流行が挙げられます。時期ごとの感染状況による波はありますが、来沖観光客の減少に伴いレンタカーの新車販売が大きく減少しました。また、新型コロナ流行は海外に拠点を置くメーカーにも影響し、生産工場のロックダウンなど納期遅れに伴う自家用車の販売数減少もありました。

 次に世界的な半導体不足が挙げられます。多くのメーカーで製品の供給が制限され、県内においては2021年の秋ごろから販売台数に大きなマイナスの影響がありました。

 このように厳しい時期もありましたが、昨年夏ごろにはレンタカー需要の増加などにより販売台数は回復傾向にあります。レンタカー業界は人手不足など残された課題もありますが、県民と観光客の足として業界全体のさらなる活性化に期待したいです。

(おきぎん経済研究所研究員 小嶺貴史)