prime

実習の季節は学びの季節 廣瀬真喜子(沖縄女子短期大学児童教育学科教授) <未来へいっぽにほ>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄女子短期大学の児童教育学科の学生は2年次の夏休み、小学校や保育所、幼稚園などで、目指す職業に応じて実習に挑む。

 実習中は私たち教員も実習先を訪問して学生の様子を確認する。学生は実習期間中の短い間でも、どんどん成長する子どもの様子に驚きながら多くのことを現場で学ぶ。学生が記録する実習日誌には、彼らを指導する先生方のコメントや助言が書き込まれている。多忙な中でも振り返りの話し合いをもち、しっかり学生に向き合ってくださる先生方には感謝しかない。

 学生に話を聞くと「子どもと関わるのが楽しい」「よりよい声かけの仕方を先生方の姿から学びたい」「もっと積極的に子どもと関わり、子どものことを理解したい」など、たくさんの気持ちをもって実習に挑んでいることが分かる。

 実習中、学生と現場の先生方の関係性は「実習生―指導保育者・教諭」であるが、学生は卒業後、実際に就職すると「後輩保育者・教諭―先輩保育者・教諭」に変わる。「卒業後もこのような先生方に関わってもらう学生たちは幸せだな」と、私は思う。

 現場の先生方からは、学生たちの就職後も、その働きぶりをうかがうことがある。その際、保育現場で直面している課題や、子どもに真剣に向き合う先生方の熱い想いを直接聞くこともできて、私も多くのことを学ぶことができる。これからも保育現場と協働し、学生の「保育者・教育者になりたい」という気持ちを大事にしながら、採用へつないでいけるようにしていきたい。そういう意味でも実習の季節は、学生だけでなく、養成校の教員である私にとっても、学びの季節なのだ。