prime

【記者解説】知事訪中し「直談判」が奏功 那覇-北京再開、県内ビザ取得


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
訪中を終えて帰任後、集まった記者に手応えを語っていた玉城デニー知事=7月7日夜、那覇空港(喜瀬守昭撮影)

 那覇―北京の直行便再開と、旅行社を通じた申請限定ではあるものの沖縄県内で訪中ビザを取得することが可能となった背景には、玉城デニー知事が7月に日本国際貿易促進協会(国貿促)の訪中団として李強首相に要請したことが背景にある。中国共産党ナンバー2への“直談判”が早速実現した形だ。

 直行便の運休によって中国人観光客が激減したことや、訪中ビザを取得するために福岡の中国総領事館へ行く必要があったことから、玉城知事は「経済・文化交流に影響が生じている。協力をお願いしたい」と求めていた。

 李首相は「課題解決に向けて関係部門に指示を出し、検討したい」と回答していた。

 訪中団の主目的が経済・観光の交流促進。新型コロナウイルスの影響で停止している沖縄と中国本土を結ぶ直行便の運行再開や、中国へ渡航する際のビザ取得手続き簡素化の必要性を訴えた玉城知事は帰国した際に「確かな手応えを感じた」と胸を張った。

 国貿促の泉川友樹業務部長は「知事の訪中がプラスになったことは間違いない。仲井真県政時に高良倉吉副知事が訪中団に初めて参加してから、沖縄県として訪中を継続してきたことは大きな意味がある」と評価した。

 福岡総領事館の担当者は、ビザ手続きの緩和について「中国と沖縄の人的往来がより便利になる」と説明する。

 ビザ手続きの緩和や直行便再開が起爆剤となり、沖縄と中国双方の人流増加に伴う経済・文化交流も広がる可能性がある。

(沖田有吾)