対馬丸事件から きょう79年 記憶の継承誓う 慰霊祭、4年ぶりに通常開催


この記事を書いた人 琉球新報社
対馬丸事件の犠牲者の名前を刻んだ慰霊碑「小桜の塔」

 太平洋戦争中の1944年に米潜水艦に撃沈され、氏名が分かるだけで1484人が犠牲となった対馬丸事件から、22日で79年を迎える。犠牲となった学童らを慰霊する那覇市若狭・旭ケ丘公園の小桜の塔では、午前11時から慰霊祭を開催し、対馬丸記念会の高良政勝代表理事が追悼のことばを述べる。体験者や遺族の高齢化が進み、記憶の継承に懸念がつきまとう。関係者は慰霊祭などを通じて平和の尊さをかみしめ、非戦の思いを内外へ発信する。

 慰霊祭には玉城デニー知事らも参列し、弔辞を述べる。コロナ下は縮小していたが、一般参加を再開するなど4年ぶりの通常開催となる。事件を伝える対馬丸記念館(那覇市)には、新たに犠牲者2人の遺影が追加される。

 44年8月21日、疎開する学童ら1788人を乗せ、対馬丸が那覇港から九州へ出航。翌22日夜、鹿児島県悪石島付近を航行中に米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃を受け沈没した。
 (小波津智也)