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「タクシー乗務員の暮らし限界」 2021年の年収、全産業の半分まで落ち込む 建交労県本部が沖縄総合事務局に改善要請


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沖縄総合事務局運輸部の古謝昌彦課長(右)へタクシー乗務員の労働条件の改善を求める要請文を手渡す建交労県本部の東江勇執行委員長=21日、那覇市おもろまちの那覇第二地方合同庁舎

 沖縄県内のタクシー運賃の改定作業が進んでいることを受け、全日本建設交運一般労働組合(建交労)県本部(東江勇執行委員長)は21日、沖縄総合事務局運輸部と県ハイヤー・タクシー協会に乗務員の労働条件を改善する取り組みの推進を要請した。

 建交労県本部によると、厚生労働省の調べで2021年の県内タクシー労働者の年収がコロナ禍もあり187万円となり、全産業平均の406万円の半分まで落ち込んだという。要請では「タクシー労働者の暮らしはもはや限界」と指摘し、乗務員の賃金について、現在月間売り上げの5割台となっている水準から6割に近づけることなどを求めた。

 那覇市の那覇第二地方合同庁舎で総合事務局陸上交通課の古謝昌彦課長と面談した東江執行委員長は「一日も早く労働条件を改善してほしい。東京では賃金は(売り上げの)7割に近い。安心して働ける労働環境の確立が求められている」と訴えた。

 県内タクシー運賃は離島地区が14日から値上げされ、本島も10月に改定の見込み。古謝課長は「7年ぶりの運賃改定となる。適正に労働条件の確保につながるよう注視したい」と答えた。24日には沖縄労働局へ要請する。
 (謝花史哲)