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沖縄セルラーが「DX大学」 人材育成加速へ10月から 企業、自治体対象に100人募集 未来創造協議会が協力


この記事を書いた人 琉球新報社
「オキナワDXユニバーシティー」(ODU)の設立を発表した(左から)沖縄セルラー電話の菅隆志社長、沖縄未来創造協議会代表理事の川上康琉球銀行頭取、本永浩之沖縄電力社長=28日午後、那覇市の沖縄セルラー電話本社

 沖縄セルラー電話(那覇市、菅隆志社長)は10月から、県内のDX(デジタルトランスフォーメーション)人材を育成する「オキナワDXユニバーシティー」(ODU)を創設する。県内主要企業のトップらでつくる「沖縄未来創造協議会」が協力し、民間主導でDX加速につなげる。28日から100人を定員に募集を始めた。参加無料で来年2月まで、企業や自治体を対象に計10回の講座を通じ、DXの基礎を学ぶプログラムを提供する。

 菅社長と協議会代表理事の川上康琉球銀行頭取、本永浩之沖縄電力社長が28日、記者会見し発表した。菅社長は沖縄県の労働生産性が全国最下位で、クラウドサービスの利用、インターネット販売額でも後れているとのデータを紹介し「コロナ禍では人手不足も露呈した。課題解決を目指しDXを加速させたい」と説明した。

 ODUでは、KDDIグループでDX人材教育事業を手掛けるディジタルグロースアカデミーが講座を担う。受講者はeラーニングによる事前学習や対面のワークショップなどを通じてDXの基礎を学ぶ。参加できるのは1企業につき2人までで、応募多数の場合は抽選となる。

 沖縄未来創造協議会は、県民所得向上など沖縄経済の強化に向けた取り組みを進めようと今年2月に発足。琉銀や沖電、沖縄セルラーのほか沖縄銀行、沖縄海邦銀行、みずほ銀行、リウボウホールディングスで構成される。川上頭取は「100人育ててすぐに問題が解決するわけではないが、大事なのは続けることだ。具体的なアクションを取り、自走化に結びつけたい」と話した。
 (當山幸都)