有料

激戦地土砂の使用「遺族公聴会を開いて」 市民団体が沖縄県に要請 国と連携した速やかな開催を求める


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社
遺族公聴会の早期開催を県に要請した沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(右)ら=28日、県庁記者クラブ

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄戦戦没者の遺骨の混ざった土砂が使用される可能性があるとして、市民団体が遺族公聴会の開催を県に要請した。要請文を提出したのは、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんと沖縄戦遺族有志の祖慶眞行さん。

 28日に県庁記者クラブで会見した具志堅さんは、県が糸満市米須の鉱山開発に関する農地転用申請を許可する方向であることに改めて懸念を示した。「行政のやりとりのみで当事者である遺族の声が反映されていない。聞き取りすらもない状況は瑕疵(かし)だ」と指摘した。

 会見に同席した沖縄戦体験者の喜屋武幸清さんは「行政の対応にむなしさを感じる。戦争の語り部が少なくなっている中で公聴会の開催は急務だ」と危機感を表した。

 今回の要請では、本島南部の琉球石灰岩の使用について、沖縄戦の遺族による公聴会を国と連携して速やかに開催するよう求めている。要請書を受け取った県保護・援護課の担当者は「関係各課と情報共有し対応を検討する」と述べた。
 (渡真利優人)