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電気料金の支援「知事の英断に期待」 経済団体、12月までの延長を要請 沖縄


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 9月までの暫定措置として実施されている県民や事業者の電気料金の負担を軽減する県独自の支援策を巡り、期間が12月まで延長される可能性が出てきた。玉城デニー知事が29日、県庁を訪れた県経済団体会議の要請に対して前向きな姿勢を示した。財源確保など課題も山積するが、物価高などで危機的状況に立たされる経済界からは「支援がなければさらに厳しい状況に追いやられる」との声が上がっており、公的支援による県民生活や経済活動の下支えが期待されている。

玉城デニー知事(左から7人目)に対して要請書を手渡す県経営者協会の金城克也会長(同6人目)ら=29日、県庁

 「知事の英断を期待したい」。県商工会連合会の米須義明会長は6月から実施されている県独自の支援策を「全国的にも類を見ない素晴らしいものだ」と評価した上で、12月までの延長を強く求めた。

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は「観光業界は回復基調にはあるが、台風でホテル、観光施設が痛手を受けている。施設の手当てにも費用がかかるので、電気料金のように固定費が重なるのは厳しい」と観光業界の苦境を説明し、支援期間の延長に期待した。

 「水道や工場など県民のライフラインを支える企業は、電気を多く使用するため死活問題だ」と県工業連合会の古波津昇会長は強調。県民生活を支える上で、企業への支援が不可欠だとの考えを示した。

 沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は「県民所得が全国一低い中で、物価高騰や原材料価格に拍車がかかるのは企業にも非常に厳しい」と述べ、県の支援が県民生活と企業にのしかかる負担を軽減するとの見方を示した。

 3カ月の延長要請について、県経営者協会の金城克也会長は「世界の状況がどう変化するか予想しにくい。県民生活と県経済を守るための措置として、『3カ月』とした」と説明した。
 (普天間伊織、與那覇智早)