「知事、一緒に頑張ろう」 具志堅さんらが県庁前で遺族公聴会の開催訴える 戦没者遺骨の尊厳守る集会


この記事を書いた人 アバター画像 與那嶺 松一郎
戦没者遺骨を守るようシュプレヒコールする沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(右)ら=30日、那覇市の県民広場

 糸満市米須の鉱山開発を巡り、県が業者から出された土砂搬出入道路に関する農地転用を許可する方針を固めたことを受け、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表と宗教者の会は30日、那覇市の県民広場で「戦没者遺骨の尊厳を守る集会」を開いた。約40人が参加し、県による遺族公聴会の開催などを求めた。

 具志堅さんはこれまで県に対し、沖縄戦の遺族の声を聴くよう求めてきたものの、実現していない。独自に糸満市や読谷村、南風原町などで公聴会を実施し、遺族の声を聴き取ってきた。

 30日の集会で具志堅さんは「役所だけで進めるのは大きな間違いだ。遺族から『遺骨が見つかっていない。南部から土砂を取らないでほしい』という声が寄せられている。県は遺族に説明してほしい」と訴えた。一呼吸置くと県庁に向け、「絶対に諦めない。正義は私たちにある。玉城デニー知事を信頼している。不条理に対し一緒に頑張ろう」とひときわ大きな声で呼びかけた。

 集会の最後に①県は遺族の声に真摯に向き合い、公聴会を開催せよ②防衛局は南部土砂を辺野古埋め立てに使う計画を撤回せよ③知事は最高裁判決にかかわらず、辺野古設計変更不承認を貫け―の3項目を要求し、シュプレヒコールを上げた。

 参加した小橋川共行さん(80)=うるま市=は「私たちは艦砲ぬ喰くぇーぬくさーだ。沖縄戦を生き延びた先祖がいなければ、われわれはいない」と基地建設や戦争反対を語った。
 (中村万里子)