【宮古・八重山】台風11号の接近に備え、宮古・八重山地域では1日、住民らが対策に追われた。ガラス窓に飛来物防止ネットを張り、漁船をロープで係留し、食料品の買い出しを急いだ。8月の台風6号では、船舶の欠航が長引き、食料品不足が相次いだ。宮古・八重山地域では物資の多くが船で運ばれるため、台風による欠航は生活に直結する。旧盆を経て、再びの台風接近に市民は「離島は大変だ」と嘆き、食品卸業者は食料品の価格高騰や在庫切れを懸念した。
八百屋、大喜産業(石垣市真栄里)の呉屋宏和社長によると、台風6号で船便の欠航が続いた8月、航空便で搬入された野菜の卸値が一時は4倍ほどに高騰した。卸値は大根1本200円が800円、キャベツ1玉200円が700円、白菜1玉400円が1800円にまで上った。
石垣への野菜は船で毎週火、木、土曜日に島に搬入される。だが、8月31日と9月2日は11号の影響で欠航。5日の便も欠航になれば、8月と同様の卸値になる可能性がある。卸先はスーパー、ホテル、給食センター、保育園、病院など幅広く、影響は大きい。呉屋社長は「台風が来るのは仕方ないが、せめて長期化しないでほしい」と願った。
石垣市内で居酒屋を営む砂川吉信さん(73)と玉子さん(71)はスーパーで、レタスや炭酸水など食材の買い出しをした。相次ぐ台風で目当ての魚が入手できないなど品不足が続き「商売上がったりだ」と苦笑いを浮かべた。
(友寄開、照屋大哲)