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辺野古への南部土砂の使用、県外遺族にも公聴会を ガマフヤー・具志堅氏ら沖縄県に要請


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県の砂川勇二土木整備統括監(右)に要請書を手渡す沖縄戦戦没者遺族の米本わか子氏=1日、県庁

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表と沖縄戦戦没者遺族で千葉県在住の米本わか子氏が1日、県庁に砂川勇二土木整備統括監を訪ね、沖縄防衛局が南部土砂を辺野古埋め立てに使用する計画に関して県外の遺族の公聴会を開催し、防衛局の計画を拒否するよう要請した。

 米本氏は、辺野古新基地建設に関する設計変更申請の不承認を巡る訴訟の最高裁判決が4日に出ることを受けて要請を決意したとし「県外の沖縄戦戦没者遺族も苦しい中、沖縄の皆さんの戦いを見守るしかできない。しかし、ただ一つ言えることは他の都道府県の遺族も国の計画について知るべきだ」と述べた。

 具志堅氏は「県南部の土砂は遺骨が混ざった土砂という以前に、激戦地の土砂である」と説明。埋め立てに戦没者の遺骨や血を吸い込んだ土砂が使われるということだけでも新たな不承認の理由になるとし「これは人道上の問題だ」と訴えた。

 砂川土木整備統括監は「要請としてしっかり承った。4日の最高裁判決後に判決内容を精査して対応を検討する」と述べた。

 具志堅氏と米本氏は同日、沖縄防衛局にも同様の要請を行い、防衛局報道室の田中英樹室長補佐が要請書を受け取った。

(與那原采恵)