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マダガスカルの大学で琉舞披露 沖縄文化を発信・交流 中城の米須さん、比嘉さん


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マダガスカルの大学で琉舞を披露する中城村の比嘉薫さん(前列左)と米須理恵さん=8月28日(提供)

 【中城】アフリカのマダガスカルに青年海外協力隊として派遣中の米須理恵さん(33)と友人の比嘉薫さん(43)=ともに中城村=が8月28日、首都アンタナナリボの大学で琉舞を披露した。沖縄の文化を発信したいと米須さんが企画し、比嘉さんが衣装や化粧道具などを持って沖縄から駆け付けた。現地の大学生と、さんぴん茶で乾杯し、ちんすこうを食べながら交流を深め、フィナーレはカチャーシーで締めた。2人は「沖縄一色に染めました。満足です」と笑った

 2021年から隊員の米須さんは、青少年らの生活や自立支援のほか、体験学習や社会貢献を後押しする活動に軸を置く。そんな中で、マダガスカルと沖縄が「同じ『シマ』という親近感もあって、沖縄のことも知ってほしいという思いが高まっていった」という。子どもたちに三線体験をさせたり、校内フェスティバルでは鳩間節を踊ったりすることもあった。

 地元の中城村で、ともに地域の歴史を学ぶ「中城若者歴史塾」のメンバーでもある比嘉さんが遊びに来るタイミングで、日本語を学ぶ大学生との交流会を企画。比嘉さんもその日に向けて5月から琉舞の練習に励んだ。演舞曲には、外国人にも楽しんでもらえるように、リズミカルな「上り口説」を選んだ。

 当日は、物珍しそうにスマートフォンを向ける大学生らを前に、「思ったよりは上手に踊れた」と比嘉さん。演舞後には大歓声が沸いたという。この日は米須さんが、マダガスカル語で沖縄の歴史や文化、言葉なども解説した。学生らは日本や沖縄に興味津々で、帰り際には「にふぇーでーびる」の言葉も掛けられた。

 今後は、2人でマダガスカルと中城村の小学校をオンラインでつないだ交流会も計画している。米須さんは、今年12月で任期を終えるが「日本人というよりウチナーンチュという感覚が強いので、どこにいても大好きな地元のことを発信したい」と話し、比嘉さんも負けじと「私も(沖縄の)宝である文化や歴史を草の根活動で広めることがライフワーク」と語った。

(新垣若菜)