名護市辺野古の新基地建設を進める防衛省は、最高裁判決を受けて県の設計変更承認が得られれば、大浦湾に広がる軟弱地盤の改良など、当初の埋め立て承認ではできなかった工事に着手する。設計変更で当初より工事が長期化し、変更承認を得てから完成まで12年、事業費も増大して約9300億円となっている。
軟弱地盤の改良工事は、砂などで作ったくい約7万1千本を海底に打ち込む内容で検討されている。
軟弱地盤は最も深い地点で約90メートルに達するとみられるが、防衛省は70メートルまでの改良工事を想定している。地盤改良後に外周の護岸を形成して大浦湾への土砂を投入する見通し。一部の区域は、護岸を完全に閉じる前に土砂を投入する計画となっている。
防衛省によると、設計変更で土砂の陸揚げ場所として使用する予定とした一部の護岸は地盤改良工事を必要としない。準備が整い次第、造成工事を始めるとみられる。
(明真南斗)