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シママース、SDGs支援の融資受け工場一新 県内初、5者が共同融資 環境に配慮、安定した品質に


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 塩製造メーカーのシママース本舗青い海(糸満市)は4日、「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」(PIF)と呼ばれる手法で商工中金などから22億円の融資を受け、製塩に使う釜を変更するなど工場を一新する計画を発表した。2025年4月から稼働する。製法を見直すことで熱効率が上がって必要な燃料が減り、二酸化炭素(CO2)の排出量を25~30%弱削減することができるほか、より安定した品質の生産が可能になるという。

 PIFは環境配慮や社会価値向上などSDGsに資する企業活動を継続的に支援する金融手法の一つ。県内では初の事例で、商工中金が主幹事となり沖縄銀行、琉球銀行、鹿児島銀行、沖縄振興開発金融公庫の5者が協調融資として実行する。

 青い海は調達した22億円を、平釜から立釜への変更や建物建設費などに充てる。

 4日に県庁で記者会見した同社の又吉元栄社長は「SDGsを単なるお題目とせず、経済活動の中で実現することは沖縄の明るい未来の創生にもなる。『沖縄の塩ここにあり』で頑張っていきたい」と述べた。
 (當山幸都)

新たに導入する立釜の3Dイメージ(提供)
工場を刷新するシママース本舗青い海の又吉元栄社長(中央)、屋嘉比元常務(左)と商工中金那覇支店の村山裕昭支店長=4日、県庁