琉球新報社 
名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請の不承認を巡る訴訟で4日、最高裁が県の上告を棄却し、県の敗訴が確定した。沖縄関係国会議員や県内政党のコメントは次の通り。
県関係国会議員コメント
法の番人の役割を放棄 赤嶺政賢衆院議員（共産）
政府の無法な米軍基地建設に忖度（そんたく）した不当判決だ。最高裁は法の番人の役割を放棄し、国と地方の対等・平等の関係を壊した。辺野古新基地建設反対の県民の民意を貫き、オール沖縄で抗（あらが）い続ける。
民意・地方自治の本旨に背く 新垣邦男衆院議員（社民）
不当判決。防衛省の私人なりすましを追認する司法によって三権分立の憲法秩序は崩れ落ちた。軟弱地盤を抱え、民意と地方自治の本旨に背く新基地建設に正当性も合理性もない。この先も玉城知事を支え闘う。
重く受け止める必要がある 島尻安伊子衆院議員（自民）
県知事の訴えが不適法であるとの司法判断が確定した。法治国家である以上、知事は最高裁判決を重く受け止める必要がある。行政の長として法に従うのは当然であり、適切に対応されることを期待したい。
移設 東アジア平和に資する 西銘恒三郎衆院議員（自民）
判決の結果がどうであれ、行政の長として最高裁判決に従うべきだ。判決内容に不満があっても、法治国家の国民として結果を受け入れるのは当然だ。辺野古移設が進むことは東アジアの平和維持に資すると確信する。
承認の義務は果たすべき 国場幸之助衆院議員（自民）
最高裁に判断を委ねたのは県でありその判決たる承認の義務は法治国家として果たすべき。政府は沖縄の尊厳を尊重し、普天間基地の早期の危険性の除去と米軍基地の管理権を日本政府が持つことに努めて欲しい。
判決受け入れる責務 宮崎政久衆院議員（自民）
最高裁判所の判断は最終のものであり、憲法を尊重し三権分立を守る立場から、判決は厳粛に受け止める。県は行政をあずかる立場にあり、判決内容を受け入れる責務があることを理解して貰（もら）いたい。
別の解決方法模索を 金城泰邦衆院議員（公明）
普天間の辺野古移設問題で、県が不承認とした防衛省の設計変更申請について最高裁で県の敗訴が決定した。法廷闘争を続けても道が開ける見通しが立たない中、知事は別の解決方法を模索しなければならない。
県に責任押しつけるな 伊波洋一参院議員（沖縄の風）
辺野古埋め立てと新基地建設は軟弱地盤の耐震リスクと不等沈下で技術的に破綻している。建設費用も2兆円必至で断念すべきだ。最高裁は沖縄県に責任を押し付けてはならない。県・県民と共に断念に取り組む。
政府におもねる司法に失望 高良鉄美参院議員（沖縄の風）
国の是正の指示は権力の恣意（しい）的濫用（らんよう）そのもの。適正手続きを踏まない違法工事を黙認し、県の裁量権すら認めない最高裁の判断は「法の支配」に反する。県民を蔑（ないがし）ろにしてきた政府におもねる司法に深く失望する。
早期の移設を期待 比嘉奈津美参院議員（自民）
最高裁で国の是正指示が適法と判断された。長年解決できなかった世界一危険と言われる普天間基地の危険除去に向け、住民の生活や環境に配慮をしながら、早期の移設を期待する。
県内政党コメント
判決従い承認を 自民党県連
設計変更承認申請に対する不承認処分に対する司法の終局的判断が下された。わが国は法治国家であり、玉城知事は判決に従い速やかに申請を承認し、一日も早い普天間飛行場の危険性除去を前進させるべきだ。
知事支え闘う 共産党県委
岸田政権に忖度（そんたく）し、民意を踏みにじる無茶苦茶なやり方にお墨付きを与える最高裁の不当判決だ。辺野古新基地建設反対の県民の意思は変わらない。オール沖縄で知事を支え、県民と共に全力でたたかい抜く。
民意は埋立反対 立憲民主党県連
国は地方自治を尊重すべきだ。かつて大田元知事は「裁判に負けたからと言って、基地問題の解決をあきらめるような余裕は沖縄にはない」と語った。民意は埋立反対にある。県民の生存権のため、抵抗し続ける。
解決手法模索を 公明党県本
普天間の辺野古移設問題で、県が不承認とした防衛省の設計変更申請について、最高裁は県の敗訴を決定した。法廷闘争を続けても道が開ける見通しが立たない中、知事は新たな解決手法を模索するべきではないか。
沖縄差別を糾弾 社民党県連
立法の怠慢、行政の暴力に司法の堕落が上塗りされた悪夢だ。日本の三権そろい踏みの沖縄差別を怒声をもって糾弾する。大和ぅぬやなうしぇや国連かい行ちゃやーに世界（しけぇ）に届きらな。まじゅんちばらなやーさい。
結論ありきの判決 社大党
知事は法的根拠をもって国の設計変更申請を不承認としたが、肝要な憲法論を含む弁論機会もなく、結論ありきの判決と言わざるを得ない。社大党は玉城知事を支持し、辺野古新基地建設断念のため最後まで闘う。
